2020年4月より、信州に暮らしはじめました。「ただ信州で暮らしてみたい」それだけで。10 年くらい想いを膨らませて、やっとタイミングが来たので、はじめました。今まで活動してきたことを継続していきたい想いは、基本的にありましたが、もしかして、何か新しいものに気づいて変わるかもしれない。そんな、風の吹くままに…半年ほどしたころ、西駒郷さんやリベルテさんの作品展へ行く機会がやってきました。(障がいのある方々が表現する作品展)作品を見はじめると、自分の心がこんなにときめくものか、と驚きました。今までも、さまざまな人の作品には出会ってきたけれど、自分の心をいったんリセットしていたこともあってか、とても素直に「ただ好き」なんだ、ということに気づきました。新しい暮らしの中でも、継続して活動していこうという想いに至ったのでした。
私は、15年以上、障がいのある人たちとのものづくりの周辺にいます。アトリエ活動や展覧会の企画、商品づくり・販売など。その根底にあるのは、言葉にすると「多様性」なのですが、自分の生きる社会・世界が居心地よくなるように、続いていくように、という想いがあります。もはや、その動きは、気づけばやっている“ライフワーク”となりました。想いに説明をつけてじっくりと動く性格ですが、基本的に「ただ好き」なことをしている人だ、とも思います。今回「ただ好き」という感情に出会い、それでいいんじゃないか、という気持ちになりました。意味を追求せずとも、「ただそこにある」ことを大切にしたい、という気持ちになりました。
暮らす場所を変えてみて気づいたことの中にも同じようなことがあります。周りの環境が変わると、今までの当たり前も変わるので、自分に蓄積されているものに、改めて気づきます。自分に「ただある」もの。つまり、自分の役割という感じでしょうか。それは、どんな人にも、どんな生き物にも、あてはまることだと思うのです。「自然も生き物も自分も、みんな合わさって生きている」と思うのです。自分の得意を活かしながら補い合う。私は、その一部。絵が得意な人、苦手な人。お話が得意な人、苦手な人…私は、というと、絵は描けない、話もうまくない…「ただ好き」を多くの人たちに紹介したり、共有したりしたくて、「私はこう想うけど、みなさんどうですか?」をしていること。人・モノ・コトを繋いでいくこと。それしかありませんが、そんな自分も、どこかの何かの一部になれていたらうれしい。そう想うのです。