県内リレーエッセイ

ハートをドリップ

人それぞれ、色んな個性があって、多かれ少なかれ、特性や障がいと呼ばれるものなんか持ち合わせてる。

私も。

ADHDで自閉スペクトラムでHSPの要素モリモリなんじゃないかと思う。
けど、全てを含めて私だし、その人だし。
だからこそ、それぞれのアンテナにビビビッっとくるPointってあるんだと思う。
それは側から見たら???なことであったとしても。

色んなこと全部ひっくるめて、その人っていう感性のフィルターが作られてく。
そして、自然とその人の♡に響くことをドリップして、人生を生きてるんだろーな。と思う。

 
私はアートって何なのか正直分からない。
でも、それぞれの人がドリップしていく全てのこと、その人となり、生き方自体がアートだなぁ。なんて思ったりする。

なのに、ふと気づくと私の中に小さな枠がすぐにできてしまう。
「普通ならこう」「これはこーすべき!」etc…。
でも、それじゃ全然世界は広がらない。
そして、なんだかつまらない。

だからかな。
私は自分の中にある小さな枠をパコーン!と外してくれる存在に惹かれる。
それは、映画の主人公だったり、職場(障がい者支援施設)の利用者さんだったり、息子だったり、心が惹かれる人だったり。

まだまだミミッチィ私はいるんだけど。
それぞれのドリップしたコーヒーを、大切に味わい合えるような人になりたいな。

著者プロフィール

辻 奈々
つじ・なな
障がい者支援施設、浅間学園に勤務。「アート担当」という響きに惹かれて働き始める。が、アートって何だろう?といまだ迷走しながら、結局何かとアートに感じてきてしまうような人。息子(8才)と母と猫とインコとメダカと、喜怒哀楽豊かに暮らしている。

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